2014年4月29日火曜日

清く、正しく、美しく

突然心に浮かび、これから自分のモットーにしようと思ったことば「清く、正しく、美しく」。調べてみると、阪急電鉄や東宝、宝塚歌劇団を創設した小林一三氏が遺した宝塚歌劇団のモットー「朗らかに、清く、正しく、美しく」から来ているようです。勤務先で小林氏の名前が話題になっていたことがあったのですが、そのときには完全に無視していました。心に留めておきたいと思います。

「1984年」が描く世界

久しぶりのブログ。GWのはじまりに、ずっと読みたいと思っていたGeorge Orwellの「1984年」を読みました。世界が3つの地域に統合され、権力を手にした党がその力を維持するために人間が思考することを阻止し、矛盾を当然のこととして受け入れさせ、実現させる世界。過去は刻々と変化する現実に合致するように書き換えられてゆきます。

Erich Frommの「自由からの逃走」 と同様、「考えるということは何か」「自分で決めるということはどういうことか」を改めて考えさせられるよい本でした。「自由とは、2足す2が4だと言える自由だ」。分かりやすいフレーズを唱える政党が大勝し、敵味方を単純化して対立構造をつくる、責任を転嫁する。日本はこの小説が描く世界に少しずつ近づいていっているように感じ、こわくなりました。力のあるものに盲目的に従うのは楽だけれど、違和感を感じながら、それを見ないようにして易きに流れるような生き方はしたくないと感じました。今はよいかもしれないけれど、私たちの子どもや孫、更にその先の世代が生きにくい世の中にならないように。その基盤を与えるのが教育の役割だと思うようになりました。

一方で、私の思考の基礎となっているものの見方、考え方は、これまで出会った人や書籍、その他多くのものの影響を受けています。それらの出会い自体も、過去の選択の結果を受けて偏ったものとなっているはず。とすると、自分のスタンスは確立して自分なりの仮説は持ちつつ、その偏りやどんなところに立っているのかを認識して、生きていかなければいけないと思いました。鵜呑みにするのでもなく、頑固になるのでもなく。

今の私は「考える」ということにアンテナが立っているようです。

2014年3月23日日曜日

『デザインのデザイン』を読んで

最近、複数の局面で「デザイン」という言葉を聞くことが多く、それが何かを知ろうと以前デザインファームに勤めていた方からの勧めを得て手に取った本。

『デザインのデザイン』原 研哉

「グラフィックデザイナー」が本業という著者が、歴史や実際のプロジェクトを交えながら、デザインとは何か、どう活かし得るかについて持論を展開。「生活の中から新しい問いを発見していく営みがデザインである」「デザインは技能ではなく物事の本質を掴む感性と洞察力である」という記述がその思想の核であると感じました。

これまで、興味をもちながら「デザイン」と「コンサルティング」や、「デザインシンキング」と「ロジカルシンキング」の違いを掴みきれずにいたのですが、本書を読み少し理解できたような気がしています。デザインもコンサルティングも、社会や世界をよくしていこうとする営みであり、根底には何らかのビジョンが存在する。その視点がどこにあるか、理想の実現に向けていかに取り組んでいくか、その姿勢やアプローチが異なるのではないかと考えています。

以上は現時点での理解。友人の紹介で、3月末からAcumenがIDEOの協力を得て提供するHuman-Centered Design for Social Innovationというオンラインのコースを受講するので、自分なりに理解を深めたいと思います。

加えて、私が目指すビジョンも確立したい。何のための教育なのか、その先にどのような人や社会を描くのかを考えながら学びを進めていきます。

2014年3月17日月曜日

人生をどう歩むか

ここ数週間、自分が生きる価値について考えている。そんな中出会った記事。アメリカで起業されている方のブログにあった、「バレなければ良いという生き方について」というポスト。

「人生の価値とは、その人が生まれた世界と生まれなかった世界との差」というスタンスが素敵だと思った。他人の評価や顔色を伺うのではなく、自分の中に絶対的な評価軸をもっておくこと。不安や恐怖を他人に埋めてもらうのではなく、弱さを認めてそれを乗り越える強さを得ること。納得のいく人生を歩むこと。

名前に恥じない生き方をしたいと思っている。

2014年2月24日月曜日

体験から学ぶ

今回は自分の体験を通して感じた学ぶということをテーマにブログを書いてみようと思います。

具体的な体験は①ギターを弾く、②結婚について考える、③Orbi(テーマパーク)で遊ぶという3つ。ブログをもっているというだけで全てを「ブログのテーマになり得るか」という視点で見るようになり、それが自分の軸について考えたり、リフレクションをする機会に繋がっています。

①ギターを弾く

頭の中では、上田先生提唱のLearningful Playというコンセプトに賛同していたのですが、それがどういうことなのか、とてもしっくりきた経験。
スピッツのHoney Honeyという曲をパートナーのギターに合わせて歌っていたところ、「簡単だから自分で弾いてみたら」と言われてチャレンジすることに。元々すきな曲だったのでモチベーションは高い一方、ギターの構造から楽譜の読み方まで全くわからない状態。それが、小学校の時にピアノを習っていた頃とは比べ物にならないくらい楽しんで基礎を学びました(ピアノは基礎練習がいやで2年でやめてしまった)。指は痛いし思うように動かないしで途中諦めそうになったけれど、パートナーの励ましを得てなんとか目的達成。
「マインドセット」×「他者の肯定・励まし・伴走」という要素を揃えることが、今の私が目指したい学びのあり方だと感じています。


②結婚について考える

これは、前回のエントリーとも重複する自分の頭で考えるということ。
親の価値観もあってか愛し合う二人は結婚すべきという価値観でいたのですが、現行の日本の結婚制度はどのようなものなのか、他国ではどうなのか/過去はどうだったのかを調べていくことで、複数の視点を知ることができました。自分が目指す姿や、パートナーの考え、関係性を踏まえて、「いつかは結婚する。けれど今ではない」という結論に達しました。1ヶ月後には振られて泣いているかもしれないけれど、自分で決めたことなので後悔はしないと思います。彼がいやと言うから結婚できない、という考えと決別できてよかった。
もちろん、できればすぐにでもウェディングドレスは着たいし、指輪も欲しいけれど。それは私がありたい姿とは少し離れていることに気付くことができました。全部欲しいけれど優先順位はつけないとね。
世の中には自分で自分を縛り付けていること、知らぬ間に囚われている前提がたくさんあるかもしれなくて、他者とのコミュニケーションはそれに気付き、考え直す貴重な機会だと感じています。そのためには学びを深め広げる人(教師、コーチ、指導者・・・)の役割がとても重要で、そういう場や人をつくる/育てることにも関われたら素敵だと思っています。


③Orbiで遊ぶ

ここではリアルとバーチャルとの融合について感じたことをまとめてみます。
Orbiは、BBCとSEGAが共同開発?した「大自然超体感ミュージアム」。パンフレットによると、
”BBC EARTHの映像とSEGAの最先端技術を融合し、地球上の様々なシーンを再現。都会にいながら、大自然の真ん中に入り込んだかのような体験ができる世界初の「大自然超体感型ミュージアム」”
”ここでの主役は、圧倒されるほどの大自然、地球上の神秘的な風景、躍動的な動物たちの姿。未だかつてないスケールと臨場感で迫る、道の大自然没入体験へようこそ”
とのこと。全部で9種のエキシビジョンゾーンとシアターゾーンで構成されており、映像と振動や風、温度、体の動きを組み合わせて「体感」できるつくりになっています。日曜日の午後に行きましたが、人気のエキシビジョンでも待ち時間は30分程度。小さい子どもを連れた親子が多くいました。横浜なので近くに遊べるところはたくさんあり、屋内なので天候には左右されず、大人で3時間しっかり遊べる、1度は行ってもよいテーマパークだと思います。
一方で、今のコンテンツであれば次回訪れることはないだろうと思っています。どんなに精彩な映像で、鮮明に音を再現できても、それは現実のまがい物にすぎないと感じてしまいました。世界の広さや不思議に触れて、関心をもつきっかけにはなるかもしれないけれど。私は動物園や博物館でリアルな展示物を見る方がいいなと思ってしまいました。

おもしろかったのは、アニマルペディア。離れた場所から機械を持たずに手をつかってスクリーンに投影されている動物(の陰)に触れると、動物が反応を返してくれるというもの。MITメディアラボの石井先生のTangible Interfaceを思い出しました。この先、リアルとバーチャルがどう繋がっていくのか楽しみに思うと共に、それを学びの場にどう活かし得るかを考え仕組みをつくっていきたいと思っています。

Eric Clapton計画

Eric Claptonのライブに行ってきました。当初はパートナーの付き添い程度の心持ちで、知っている曲も数曲しかなかったのですが、想像以上に楽しかった!すっかりはまってしまって、寝ても覚めてもyoutubeで過去のライブ動画を見ています。

そこで思ったこと。彼のように仕事をしたい。すきな曲をつくって、すきな時にすきな仲間とライブをして、価値を認めてくれるひとに最高のパフォーマンスを提供する。もちろん、計り知れない苦労もあるだろうけれど、私の目指す姿だと感じました。「Eric Clapton計画」と名付けて大事にしています。

プロフェッショナルとして自分の名前で仕事をする

「人の学び」という分野での専門性を高め/極め、経験を積んで個として自立したい。そのために自分のフォーカスを定めなければと改めて思っています。「この分野のプロジェクトなら彼女に声を掛けよう」と思ってもらえるようになりたい。

それぞれのプロフェッショナルである仲間と恊働しながら誰にもできない世界をつくる

上記を前提に、テーマ毎にチームを組織して、強みを生かし合いながら働くのが理想。弱みを補完し合うのではなく。より多様なテーマ、メンバーと関わりたいので、組織に所属して固定したタスクを行うのではなく、プロジェクトベースで動けるといいな。



最近理想ばかり高くなっていきます。でもわくわくする毎日。漠然とでも目指す姿があると何をやっていても楽しい!


お気に入りのライブ。Wonderful Tonightがだいすき!


2014年2月10日月曜日

「自分の頭で考える」ということ

昨日の東京都知事選の結果をみて、教育の目的は「個々人が自分の頭で考えて、判断できるようになること」「判断の軸となる価値観や倫理観を身につけること」のサポートなのではないかと思い始めました。

私は東京都民ではありませんが、これだけ話題になっていたにも関わらず、投票率は50%を下回る低さ。話題にしていたのは私の周りだけだったのでしょうか。いくら雪で足下が悪くても、都政を託せる候補者がいなくても、自分たちが住むまちの未来に関わることなのに、それを放棄するなんて。
2012年の都知事選の年代別の投票率がBLOGOSに掲載されていました。ただでさえ人口の少ない20代、30代の投票率が低ければ、政治は益々高齢者の方を向くようになるのは当たり前。

 ・年代別の投票率(BLOGOS)
 ・年代別の投票者(朝日新聞)

冒頭に戻りますが、自分の未来を決めるのは自分。変化が早くなり、複雑化している世界において、流されるのではなく自分で考えて決める「自由」と「責任」を有する楽しさを体感できることができないかと考えるようになりました。個人的な思い入れで視野が狭くなっているだけで、今の10代、20代のひとたちはそんなサポート必要ないかもしれないけれど。

Learningful Play、自由と責任をキーワードに、もう少し旅を続けてみようと思います。